古い家は断熱リフォームで快適に。リフォーム事例付き

古い家木造一戸建は断熱基準が現在とは異なるため、夏は暑くて冬は寒いことが一般的です。そんな古い家でも断熱リフォームをすることで、快適かつ光熱費の節約も実現できるようになります

今回は、効果的な断熱リフォームとはどのようなものかを、事例つきで紹介します。

断熱リフォームで効果が高いのは?

高性能樹脂窓

窓の断熱が最も効果的

まずは、家の熱はどこから出入りしているかをみてみましょう。

夏、外気の熱が室内にはいってくるのは、窓からが7割で大半を占めています。(以下、壁→屋根→換気→床の順)

冬は室内の熱が屋外に出て行くのですが、窓からが5割を占めています。(以下、壁→換気→床→屋根)

つまり、窓への断熱が最も効果的ということです。

アルミの窓枠は要注意

熱の伝わりやすさは物によって異なり、これを数値で表したものが熱伝導率です。
一般的な窓ガラスに使われているソーダガラスの熱伝導率は1.03(W/m・K)ですが、窓枠によく用いられているアルミニウムは237(W/m・K)となっています。

窓の結露比較
出典:YKK AP株式会社 「窓の結露比較」

窓の結露の原因は、断熱性が低い単板ガラスやアルミフレームの窓
アルミサッシの窓では、ガラスだけでなく窓枠からも多くの熱が伝わっているのです。
また、玄関ドアがアルミ製のものなら、木製や樹脂製への取り換えで省エネに。

断熱/遮熱/気密性に非常にすぐれた樹脂窓

最近増えてきた樹脂窓は、フライパンや鍋の取っ手にも使われている塩化ビニル樹脂でできています。塩化ビニル樹脂の熱伝導率は0.6(W/m・K)、窓ガラスより熱が伝わりにくいので、窓からの熱の出入りを抑えることができます

姫路市O様邸

リフォーム時に、窓のフレームが樹脂製でできている「樹脂窓」を設置された姫路市のO様邸。
樹脂窓は、断熱/遮熱/気密性に非常にすぐれています。窓の断熱性能を高めると夏も冬も少ないエネルギーで保冷保温効果が生まれ快適に過ごすことができます。また、優れた気密性で、大音量での映画や音楽も気にすることなく愉しめると喜ばれています。

驚きの断熱性、樹脂窓

姫路市O様邸リノベーション後の吹き抜け

1階と2階を大胆にぶち抜いて、吹き抜けにしたリビング・ダイニング。

ウレタン断熱材、そしてこの樹脂窓と複層ガラスは、施主様自ら選んだ「スマートチョイス」。
複層ガラスにして外に音がもれなくなったお陰で、大音量での映画や趣味のエレキギターの演奏も気兼ねなく楽しんでいるご主人さま。人生を愉しむ、成熟した完成形です。

防露性能比較

防露性能比較

室内温度20℃/室外温度0℃/相対湿度50%
※注意:結露の発生は窓の性能だけでなく、住まいや他の自然環境にも影響されます。室内の条件によっては結露が発生する場合もあります。(出典:YKK 「樹脂窓って何?」

また、樹脂窓は高性能なLow-E複層ガラスと組み合わせることで、高い断熱性を発揮します。

断熱には複層ガラスや二重サッシもおすすめ

身近にあって熱伝導率が圧倒的に低いもの、それは空気です。

空気(20℃)の熱伝導率は0.022(W/m・K)で、空気を間にはさんだ複層ガラス(ペアガラス)を使った窓ガラスは、単体のガラスのものに比べて約2倍の断熱効果が期待できます

ペアガラスと混同されることが多いものとして、二重サッシがあります。これは複層ガラスのようにガラスだけが二重になっているのではなく、窓サッシ自体が二重になっているものです。

リフォームの場合は、内窓を取り付けて二重サッシにすることもできます。

複層ガラスと同様に断熱効果が期待できますが、

  • 複層ガラスよりコストが掛かる
  • 開閉や掃除の手間が増える
  • 見た目が気になる

といったデメリットもあります。

断熱効果が高い床材とは?

床の断熱は体感効果が高い

先に述べたとおり、床の断熱効果は窓や壁に比べると低くなっています。けれども、床は身体からの距離が近いものです。

せっかくエアコンで快適な室温にしていても、床が生暖かったり冷たかったりして、快適さが損なわれることが多いのです。

特にリビングでは床に座ったり寝そべったりすることが多いでしょう。また、冬場に台所の炊事が辛いのは、床が冷たいからです。

天然の無垢材なら冬温かく夏はひんやり

後藤工務店では、天然の無垢材を使ったフローリングをおすすめしています。木材の熱伝導率は0.08~0.14で、熱が伝わりにくいという特性があるのです。

(手前)和室:ヒノキの床材|(奥)リビング:杉の床材 リフォームされたお客様の声はこちら

一般に杉やヒノキなどの針葉樹は、オークやメープルなどの広葉樹より熱伝導率が低い傾向があります。これは木の細胞と細胞の間にある無数の孔に、空気がたくさん含まれているからです。

一般的に針葉樹は広葉樹より空気の穴がたくさんあるため、軽くて柔らかいものが多く、熱伝導率は低い傾向がみられます。

無垢材は高価格だと思われていますが、後藤工務店では信頼できる独自のルートから直接仕入れることで、高品質な無垢材をリーズナブルにご提供することができるのです。
無垢材は自社ショールームで、実際にご覧いただけます。ショールームの詳細はこちら

断熱材の選び方

断熱材では防湿効果も重要

木造住宅では、グラスウールやウレタンフォームなど、さまざまな断熱材が用いられます。断熱材が断熱効果を発揮できるのは、素材もさることながら、間にふくまれた空気のおかげです。

もし断熱材が湿気を含んでしまうと、断熱効果が落ちるだけでなくカビや結露の原因にもなります。

リフォームで断熱材を入れるときには、通気層を設けたり防湿・気密シートをしっかりと施したりすることが必要です。

木から生まれた断熱材は高性能

断熱材には、木を素材とするものもあります。「環境断熱®︎ECOボード」は、木の特性を存分に活かした断熱材で、断熱効果だけでなく透湿性能や気密性能、吸音性能も高いものです。

また、万一の火災の際にも燃えにくく、有毒ガスを出しません。さらに廃棄しても土に還るため、環境への負荷も抑えられます。

断熱リフォーム事例:補助金活用も!

床暖いらず?厚めの杉板の無垢材でごろごろしても気持ちいい

神戸市H様邸 築55年 リフォーム

築55年の日本家屋をリフォームされた神戸市H様邸では、自然素材をふんだんに使用しました。
リビングの床、壁、天井には、杉の無垢材を。杉板は無垢材のなかでも特に温かみがある材です。熱を伝えにくく、真冬にはだしで歩いても冷たさを感じにくいものです。材質は軽く柔らかく、高断熱性や歩行時のショック軽減につながりやすい樹種です。また、杉の無垢材は当たりがソフトで、万一転んでもケガをしにくいというメリットもあります。

無垢材の厚みによる違い

無垢(むく)とは、天然の木をそのまま1枚の板として利用する木材で、木本来の素材感が特長です。
本物の木ならではの重厚感や温かみは、天然の無垢材ならではの価値といえます。

無垢フローリングの一般的な厚みは15㎜がスタンダードな規格ですが、弊社ではなるべく厚いものを使用しています。木材を市場から大量に仕入れることで、コストを抑えることができます。
こちらのお宅では、厚さ30㎜の杉の無垢材を使用しました。厚みは、フローリングの「強度」に関係します。

小さなお子様やお年寄りがおられるご家庭には、無垢材が特におすすめです。床でごろごろしながら日向ぼっこをする至福の時間を、どうぞお楽しみください。

補助金活用で、断熱リフォーム

「タイルの床が冷たいので暖かくしたい」「保温効果のあるユニットバスにリフォームしたい」
このようなリフォームをする予定の方は、補助金が適応されるかもしれません。

「こどもエコ住まい支援事業」で補助金を活用したリフォーム事例

神戸市のH様は、お風呂を断熱リフォームされました。「高断熱浴槽への交換」と「節湯水栓設置」が補助の対象となりました。


・高断熱浴槽への交換・・・浴槽に断熱材を入れて、お湯を冷めにくくしたのが「高断熱浴槽」です。冷めにくいので追い焚きの頻度を減らし光熱費を削減できるのがメリットです。

・節湯水栓設置・・・節湯水栓(せつとうすいせん)とは、お湯を節約するために設計された蛇口やシャワーヘッドのことです。

補助金を使って断熱リフォームしたお風呂

ご注意
「こどもエコ住まい支援事業」での補助金申請は、「事業者登録をしている業者」しかできません。
特にリフォームに関しては工事施工業者が申請しなければなりません。事前に登録業者なのかを確認することが重要です。
また、「申請料」が発生す業者さんも一部あるようです。
後藤工務店では、無料で申請手続きを行ったおりますのでご安心ください。

「うづくり」の無垢床材と断熱樹脂サッシで快適にリフォーム

姫路市O様邸 築30年 リフォーム

木は、冬と夏とでは生育が異なります。ゆっくり育つ部分が濃い部分で冬目、夏に成長する白い部分が夏に成長する部分が夏目です。

少し柔らかい夏目の部分を削って、冬目の硬い部分をちょっと盛り上げる加工を「うづくり」といいます。

無垢のニュージーランドパインをうづくりにしたフロアーは、木の良さを最大限に引き出しており、足ざわりがとても心地いいものです。

お客様はここに床暖房の導入を検討されていましたが、「日当たりもいいし、必要ないです」とお伝えしたところ、「本当にいらなかった、ありがとう」とお喜びいただきました。

また、樹脂サッシは断熱効果だけでなく防音性にも優れていて、ご近所へ気兼ねすることなく趣味の音楽を大音響でお楽しみいただいています。こちらの施工詳細はこちら

断熱リフォームで快適な暮らしを

古い家でも断熱リフォームをすることで、快適に過ごせます。光熱費が抑えられるだけでなく遮音効果も期待でき、結露を防ぐこともできるのです。また断熱の良し悪しは、家そのものの寿命にも関わるものです。

また、断熱リフォームでは補助金を活用できるケースもあります。自分がしたいリフォームに補助金がもらえれば、それを工事費に充てたり、購入する設備を増やしたりすることができ、大変おトクですが、「こどもエコすまい支援事業」などは、予算の上限に達すると期間内でも補助金が終了してしまうため、早めのご検討をおすすめします。

後藤工務店では、補助金の申請はもちろん、予算とご希望に合わせて最適なプランを提案いたします。