木の科学
自然素材と言えば、無垢の木、木材。
木は、断熱性が高く、調湿作用があり、目に与える刺激が小さいなど、人に心地よい感覚を与える素材です。
日本の風土や気候にあった「国産無垢材」
日本では3万年以上も昔から住宅の材料として活用されてきた木材。私たちは、自然素材の無垢の木のなかでも日本の風土や気候にあった「国産無垢材」を積極的に使用しています。
自然素材に迫る〈ここちええ〉 の5つの秘密
無垢の木・木造建築物の人への効果
無垢の木あるいは木造建築物には、人のストレスを少なくする、疲れにくくするなど、生理的な効果・身体的な効果があることが科学的に明らかになってきました。
この人への効果の内容を、科学的に検証されたデータをまじえて紹介します。
調湿効果
除湿・加湿の2つの働き
木材(特に無垢の木)の調湿効果とは、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには木自らの水分を放出し常に60%前後の湿度に調節してくれます。
木が建材として加工された後もしっかり生きている証拠です。
▼内装の違いによる室内の湿度変化の実験:A棟(無垢材) B棟(木目調のビニルクロス)
香り成分
リラックス効果と免疫力アップ
森林に入ったときに感じるすがすがしい香り、この木の香りの正体はフィトンチッドと呼ばれる自然成分です。この自然成分はストレスを抑制し気分を落ち着かせたり、血圧や心拍数を安定、NK活性の上昇など、様々な効果が実証されています。
▼ヒノキの匂い成分がヒトの免疫細胞の働きを上昇させたとの報告があります。
消臭・抗菌効果
大気汚染物質の除去
木材は、アンモニアなどの悪臭成分を吸着することによる消臭効果を有します。また、木材から調製された精油には、二酸化窒素などの大気汚染物質の除去作用もあります。
精油などには低分子化合物が含まれており、それにより抗菌効果がもたらされます。
▼木材には悪臭や大気汚染物質を除去する空気浄化作用が確認されています。
接触効果
触り心地と温冷感
五感の中で最も早くに発達するのは、「触覚」と言われています。無垢材は、古くから住宅や家具などの材料として、手触り・足触りが人に「心地良さ」をもたらすことが、生活習慣からも科学的な見地からもよく知られています。
▼木材の温冷感一触れても冷たさを感じにくい
視覚効果
目にあたかかく快適感に影響
木材の外観は、自然な「あたたかい」印象を与えるだけでなく、梁や柱を使った部屋では、聴覚刺激で心拍数が増加し感覚を刺激する効果 (リフレッシュ・覚醒効果)があることが検証されました。
▼梁・柱の視覚刺激で心拍数が増加し覚醒効果が
「科学的データによる木材・木造建築物のQ&A」より
「木の科学」では、無垢の木がもつ有益性について科学的根拠を調べることを目的とし、林野庁が平成28年度 都市の木質化などに向けた新たな製品・技術の開発・普及委託事業(木材の健康効果・環境貢献等の評価・普及のうち木材の健康効果・環境貢献等に係るデータ整理)として、取りまとめられたものを、ご紹介したものです。
皆様に「無垢の木の良さ」について新たな情報を得られていただければ幸いです。