リフォームやリノベーションの打ち合わせ時に「造作家具(ぞうさくかぐ)」という言葉を「初めて聞いた!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
造作家具とは、いわゆる「造り付けの家具」ことで、部屋に合わせてサイズや素材を選び、オリジナルで造るオーダー家具のことです。
この記事では、リフォーム・リノベーション時に検討したいオーダーメイドの造作家具を施工事例付きでご紹介します。
「造作家具」とは?
造作家具とは、建物や空間、部屋に合わせて特注で作られる家具のことです。「オーダーメイド家具」、「作り付け家具」と言われることもあります。リフォームやリノベーション時に造られる場合は、既製品ではなく、大工さんが顧客の要望やデザインに基づいて製作します。住宅メーカーや工務店のなかでも、造作家具が得意なところもあれば、そもそもオーダーを受け付けていない場合もあります。
大工さんは、木工に関する高度な技術を持っています。経験と技能により、素材を最大限に生かした美しい仕上がりや耐久性のある家具を作り出すことができます。
リフォームにおいて造作家具がお勧めな4つの理由(メリット)
ライフスタイルに合わせた快適さと使い勝手
造作家具の一番のメリットは、要望やライフスタイルに合わせて「ミリ単位」で作ることができること。サイズ、形状、デザイン、素材など、細かな要素をカスタマイズすることができます。
例えば、デスクの高さ、収納スペースの配置、配線の設置など、細かな要素を実現する書斎、家族の人数やスペースに合わせた最適なダイニングテーブル&椅子の製作など使い勝手がよく、スペースの最大活用が可能です。
また、「ここは可動棚がよい、ここは引き出しにしたい」などの細かい要望も自由なので、使い勝手もよくなるというわけです。
空間の統一感と調和
リノベーションでは、建物全体の統一感や調和を重視することがあります。造作家具は、その建物のスタイルやデザインに合わせて作られるため、他の家具やインテリア要素との調和が図りやすくなります。カラーや素材、デザインの統一によって、一体感のある美しい空間を演出することができます。
耐久性と耐震性
造作家具は、一般的に高品質な材料を使用し、職人の手によって製作されます。材料の選択や加工技術により、耐久性や品質の高い家具を作り上げることができます。また、職人の技術や経験により、細部まで丁寧に仕上げられた美しい家具を提供することができます。
個性的で魅力的な無垢材でつくるオンリーワン家具
造作家具を作成する魅力の一つは、その樹種にまでこだわれることです。家具に使用される樹種は主に、明るい色合いや目立つ木目が特徴のオーク、濃い茶色から黒褐色の色合いを持つウォールナット、美しい色合いや滑らかな木目が特徴のチェリー、明るく滑らかな木目が特徴的メイプルなどが使用されます。
とくに無垢材で作る造作家具は、本物志向が強まる中で多くの人々にとって憧れの存在です。
無垢材を使用した造作家具の魅力
無垢材とは、天然無垢の木材、天然木の丸太から切り出した一枚板を加工したものです。その美しい木目や質感、耐久性、経年変化などが魅力とされ、自然の素材感を重視する人々に人気があります。
自然の美しさと温かみ
無垢材は、木のままの状態で使われるため、木目や質感がそのまま表現されます。その結果、家具に自然の美しさと温かみが感じられます。木の表面の触感や色合いは、個々の木材によって異なるため、独自の風合いを持った家具が作られます。
高い耐久性と長寿命
無垢材は、一枚の木から作られるため、一貫性のある構造を持ち、強度があります。そのため、無垢材を使用した家具は耐久性が高く、長期間使用することができます。適切な保護やメンテナンスを行えば、世代を超えて使い続けることも可能です。
自然な変化と経年美
無垢材は、時間の経過とともに変化します。日光や酸素との反応により、木材は徐々に色合いが変わり、深みや味わいが増します。この経年変化は、家具に独特の風合いや個性を与え、経年美と呼ばれる魅力を生み出します。
呼吸する無垢材
無垢材は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには木自らの水分を放出し常に室内の湿度を調節してくれます。除湿と加湿2つの働きで、無垢材は建材として加工された後もしっかり生きています。
造作家具の種類
造作家具は、さまざまな種類の家具を製作することができます。以下に、一般的な造作家具の種類をいくつかご紹介します。
キッチンカウンター
キッチンカウンターは、キッチンの作業スペースや収納スペースを提供する家具です。カウンタートップやキャビネットなど、キッチンに合わせたデザインや機能を備えたカスタムの造作家具が作られます。
テーブル&椅子
ダイニングテーブルや椅子、座卓など、さまざまな目的に応じたテーブルを造作することができます。形状やサイズ、素材などを自由に選び、オリジナルのデザインを実現できます。
テレビボード
テレビボードはみんなの視線を集め、リビングの雰囲気を決める大事な家具の1つです。床材に合わせた素材で一体感を演出、個性ある樹種で印象的なリビングに。
本棚や収納棚(壁面収納)・ラック
本棚や収納棚、ディスプレイラックなど、さまざまな形状とサイズのシェルフやラックを製作することができます。収納スペースの最適化やデザインの一体感を考慮した家具を実現できます。
ワードローブ
ワードローブは、衣類やアクセサリーを収納するための家具です。造作家具として、収納スペースや引き出しの配置、デザインなどを自由にカスタマイズすることができます。
書斎家具
書斎やホームオフィス用の家具として、デスクや本棚、収納棚、書斎椅子などを製作することができます。効率的な作業環境と個人の好みに合わせたデザインを実現できます。
ベッドフレーム
ベッドフレームは、マットレスやベッドベースを収めるための枠組みです。快適性とデザイン性を両立させたベッドフレームを製作することができます。
下駄箱
オーダーメイドの下駄箱は、玄関にぴったりのサイズで作ることができるので無駄なスペースができず、玄関が狭くて困っているという人にもおすすめです。
造作できる家具の種類は多岐に渡ります。
造作家具はカスタマイズ性が高く、デザインや機能を自由に選択できるため、個々のニーズや空間に最適な家具を作り上げることができます。
造作家具・既成家具、適材適所にうまく取り入れて!
以上のように、リフォーム・リノベーション時に「造作家具」を一緒に作ることは、ライフスタイルに合わせた快適さと使い勝手、空間の統一感と調和、耐久性と耐震性、個性的で魅力的な無垢材でつくるオンリーワン家具などのメリットを持っています。
後藤工務店の本社ショールームには、銘木(木材や板材のうち、稀少な杢があるものや、材種自体に希少価値のあるもの)販売コーナーがあります。実際の木を見ていただきながら選ぶことができます。
しかし、造作家具のデメリットとして、顧客の要望に合わせて特注で作られるため、一般的に既製品の家具よりも高価になる場合もあります。
これからリフォームやリノベーションを予定している方は、既製品の家具で自分好みのデザインやサイズがなかなか見つからない場合は、造り付け、造作家具という選択肢もあります。「ここちええ家」につながる造作をぜひ取り入れてみてください。
後藤工務店の自社貯木場は、敷地面積3,300㎡(1000坪)。先先代から築き上げた人脈で、国産無垢材を産地直接取引や原木市場での競りなどで集めています。